コロナ休校要請に対する石垣市の対応

0

     

    昨日、教育関係者に衝撃が走った。現場への根回しもなく、いきなり空から降ってきた休校要請

     

     

     

    島社会の石垣市でこれが実行に移されるということが、いったい何を意味するのかを考えた場合、要請を受けそのまま適応することに対する疑問が山ほど沸く。

    児童・生徒を学校に行かせている親御さんの多くは島生活を支える仕事に従事しており、事実上、兼務も多い島社会では多くの機能に支障をきたす。その一方でその間、子どもを預かる保育所、学童などの施設では、多くの子どもたちが集まり長い時間一緒に過ごすのでは、そもそも感染予防という大義名分すら喪失するだろう。

    現時点で感染者の居ない地域にまで一律適応では、異なる事情を抱える各地域社会に対し、不必要な労力と将来に不合理なツケを回してしまうだろう。いくら麻生さんが保障するといってもそれも税金であることに変わりはない。

     

     

     

     

    さすがに全国一律の休校要請だけでは問題が多すぎて事態の収拾が図れないと感じたのでしょう。

    本日、萩生田文科相も「地域や学校の実情を踏まえ柔軟に対応してもらいたい」とのコメントを発表しました。

    また、これを受けた石垣市教育委員会では、市のサイトに以下の文面を発表し、最大限の予防対策を施したうえで休校しないことを決定したと伝えています。

     

    新型コロナウイルス感染症に対する小中学校臨時休校要請について(PDF)

     

     

    また、上記文書のなかで、その他の条件としては以下のことがらも明確にしています

     

    ・石垣市において新型コロナウイルス感染者が発生した場合は直ちに全校休校とする。
    ・児童生徒の保護者に対し 、 毎日登校前の検温 実施 を徹底 す る 。
    ・国基準の症状(発熱・せき等)がある児童生徒は出席停止扱いとする。
    ・風邪やだるさ等体調不良、ぜんそく等持病を持っている児童生徒は自主的に休むことも可とする。(欠席扱いとしない)
    ・保護者の判断で学校を休ませることも認める。(欠席扱いとしない)
    ・沖縄本島 等 での大会等へ参加した児童生徒は帰島後 2 週間( 14〜 1 5 日)出席停止とする。
    ・沖縄本島 等 での研修等へ参加した教員は 2 週間 14 〜15 日) 出勤停止とする。
    ・学校内のテーブル、ドアノブ、手すり等の消毒を徹底する。
    ・大規模の 集会等も自粛する。
    ・基本的には休校中という意識を持って部活動や課外活動等も一切禁止とする 。

     休校期間という扱いにおいて自主的な登校自粛についても欠席としません。

     

     

     

    個人的感想として

     

    石垣市の出した上記の市内小中学校への方針はきわめて現実をわきまえた妥当なものだと感じている。

    ボクはそもそも様々な社会活動が感染を拡大させる中、なぜ教育現場のみが対象になったのかさえ理解できていないが、永田町が考える学校と石垣市の学校では置かれている状況が異なるのは事実。

    無批判に中央へ右へならえではなく、島の置かれた事情を勘案して自立的に判断し、全国でもいち早く、指針を発表したことに敬意を評したい。

     

     

     

     

     


    いきなりですか

    0

       

      全国すべての公立小中高休校へ 安倍首相が表明、新型肺炎で3月2日から

       

      ws00078.jpg

       

       

      安倍晋三首相は27日、首相官邸で開かれた肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの対策本部会合で、感染拡大を防止するため全国すべての小中高校や特別支援学校を週明け月曜日の3月2日から休校とするよう要請すると表明した。期間は「春休みまで」とした。首相は感染拡大を防ぐため「今後1、2週間が極めて重要」としており、感染症対策のための全校休校という極めて異例の措置に踏み切った。

       

      ws00077.jpg

       

       

      あちゃ〜。青天の霹靂である。ダチョウ倶楽部ではないけれど、「聞いてないよォ」の世界である。

      もはや新型コロナウィルスは閉じ込められた船内のお話ではなく日本でも一般に感染が広がっているのもわかる。

      素人の私にだって全国的な感染拡大を抑える意味で重要な時期であることもわかるが、関係者に何の相談も、また事前準備もなく、全国一律に小中高校、特別支援学校すべて来週から休みというのはいったいどういうことなのだろう。

      上記の措置が感染が広がっている学校に対してであれば分かるけれど、全ての学校の活動を止めるということは、それによってより大きな社会問題を引き起こさないのだろうか。

      更に、健全な部分の動きも止め社会活動を一斉に停止させることにつながり、新型肺炎以外でも人々を窒息させることにつながらないのだろうか。

      ただ、ここでは保育所、幼稚園、学童保育は対象外ともいう。

      ということは我々のような発達障がい児のデイサービスも対象外なのだろうか。するとこれらサービスをする側は家に子どもを残して働けということなのだろうか。

      そうなのだとしても、いきなりトップダウンで決めた学校休業では自分たちで判断のつかない問題が山積みで何を重視してどう行動すべきなのか天を仰いでしまう。

      例えは悪いが、空気の一部に毒が混ざったという情報だけで、吸える空気まで全部遮断しては、生きられた生命まで失うことにならないのかと心配する。

       

      wait.jpg

       

       

      明日になれば、もう少し具体的な指針は示されると思うけれど、いきなり来た春休みに業界もてんやわんやである。

       

       

       

       


      このヒトではないけど・・・気になる

      0

         

        実は、この人の周辺が気になる

         

        WS000411.jpg

         

         

        NYで開催された国連の温暖化対策サミットでの演説がメディアで大きく取り上げられ、一躍、時の人となったスウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんだけれど、一連の報道を見ているとボクはちょっと嫌な感じも禁じ得ない。

        思うに、それは彼女自身に対してのものではなさそうだ。どちらかというとメディアの取り上げ方とかその周辺の扱いだろうか。

        いたいけな少女の涙の訴え、そう、こぞって持ち上げてはいるが利用されてもいる。そう感じるのだ。

        それは、以前、生の芸術であるアールブリュット展を見たときに感じた障がい者の芸術という違和感に似たものかも知れない。

        自らカミングアウトしている通り、グレタさんには発達障害がありアスペルガーらしいモノゴトを一方的に白黒で解釈する特長がある。障害のせいだとは言いたくないが、それが力の入った演説の原動力であるとも感じるのだ。

        曰く、地球が温暖化し人類が滅亡するというのに、大人は目の前にある自分のことばかり、おとぎ話のような経済成長の話でうんざり・・・子どもを愛してると言いながら、私の将来を奪ってる大人たちを私は絶対許さない・・・云々

        彼女が理解している白黒の世界に大きな間違いはないのかも知れない。逆に言えば、心の奥底にその感触が全くない大人なんて居ないと思う。

        しかし、同時にそのおとぎ話である経済に支えられ、日々暮らしているのは大人だけではない。地球上の誰しも一方的に白黒で言い切れるほど強い立場に居ないのもまた別の世界での事実なのだ。

        多分、ボクは健常な人たちがそれを十分承知した上で、黒い面には目をつぶり、白いイメージだけで担ぎ上げている部分が嫌いなのだと思う。

        一方的に解釈して全身全霊で言い切れる彼女の特性に依存して自分の立場を代弁させカタルシスに浸ったり、インパクトのあるフレーズだけ切り出して利用しているとりまきに嫌悪を感じたり、腹が立ったりしているのだと思うのだ。

        「純粋で発達障害をもつ16歳の少女の涙の訴え」というけして大人社会が否定したり無視したりしてはいけない良識を隠れ蓑に、彼女に賛同するフリをして自分も良い子ちゃんに収まろうとする子ずるい若者モドキに嫌悪するんじゃないかと思う。政治の世界でいうポリティカル・コレクトネスというアレである。

        その行き過ぎたポリティカル・コレクトネスをバネにして誕生し、今回のサミットでもう一方の対極として注目を浴びたのがトランプ大統領だとも言えるだろうか。

         

         

        WS000409.jpg

         

         

        上はサミット報道で繰り返しテレビで使われ有名になったシーンだ。

        目の前を行き過ぎるトランプ大統領をまばたきもせずに、睨めつけるグレタさん。

        対峙の構図を示すインパクトのある画としては、またとない構図だ。

        さながら、いたいけな少女の涙の訴えなど、どこ吹く風と我が道を行く悪役の登場といったところであろうか。

        しかし、リアル世界は、このどちらかが白で、どちらかが黒というほど単純な構造を持ってはいない。

        トランプさんの一言で、世界の産業もエネルギーも安全保障も大きく変わるからこそ、おとぎ話では済まされず、一喜一憂しているのだ。

        もし彼がこの無邪気な少女の意見に素直に耳を傾け、受け入れたとする。

        「そうか、お嬢ちゃんの言うとおりだ。これからは、おとぎ話の経済成長など無意味だ、明日から化石燃料の使用は全面的に禁止にするぞ。」

        そうツイートした翌日から、世界で、どれだけの死者が出るか分からない。地球環境は前提ではあるがヒトは環境だけで生きているわけではない。

        温室効果ガスを削減したいのは山々だけれど、それこそ「HOW?」と問われて「・・・」と言いよどむのが、我々、地球人の大方の実情でもある。

        また大人は、元々大人だったわけではなく、少女だってお婆になるのだ。これは誰が誰を許すとか許さないの話ではなく、将来、結果をもって検証する以外にはないことだ。

        50年後、お婆になったグレタさんが孫子に恨まれない地球環境が維持されていたなら、それが小泉環境相の言う今できるセクシーな解決方法だったという評価になるのだろうと思う。

        彼女の発言を起爆剤に全てのヒトが今の生活を見直すきっかけにするのなら分かるが、度を越えて障害のある人を盾にしたり、無責任に利用だけするのはやめようではないか。

        地球環境に障害者も健常者もない、今を生きる全ての地球人に与えられた命を左右する問題なのだから。

         

         


        描きたい、が止まらないヒト

        0

           

          3年前に生の芸術「アールブリュット」の世界に触れて以来

          その作風の面白さや自閉症との関係が気になり、その本質を

          知りたいと考えてきた

           

          WS000263.jpg

           

          そんなボクにとって石垣島のゆいロードシアターで

          現在上映されている「描きたい、が止まらない」は

          是非、見ておきたいドキュメンタリーだった

           

          DSCN5839.jpg

           

          「洗骨」を見に行ったゆいロードにある小さな映画館だが

          地味な作品を鑑賞できるここの上映タイトルは要チェックだ

           

          WS000264.jpg

           

          映画は自立を目指す自閉症の青年を2年半をかけて取材した

          ドキュメンタリー作品で監督はカメラマンも兼ねた近藤剛氏

           

          gengaten.jpg

           

          主人公は滋賀県東近江市に住む23歳になる自閉症の青年で

          本人にアールブリュット作家として自覚があるかは別として

          生の芸術の特徴をもつ絵を描き続けている

           

          DSCN5873.jpg

           

          彼の描く絵はペン描きの線画に、色エンピツで色をつけたもので

          都市構想、地図、建物、インフラ、乗物、軍事などがモチーフに

          なっているものが多いようだ

           

          DSCN5853.jpg

           

          どの方向からでも見られる俯瞰的な配置、建物ののなかに交通機関

          が紛れていたり緻密な絵の中には彼の心情が階層的に埋め込まれる

           

          640.jpg

           

          就労施設に通いながら、帰宅後は自宅の仏壇屋で創作活動を

          続ける彼は親の死後の暮らしを憂い、自立を目指してクルマ

          の免許を取ることを決意する

           

           

          自宅2階での製作風景。小さ細胞のような1コマ、1コマを繋げ

          時間をかけ彼の脳裏にある壮大なテーマが全体像として出現する

           

           

          元来、人前で話すのは苦手なはずだが、大好きな絵で認められた

          自信が自らの展示会場で挨拶をする勇気を与えているようだった

           

           

          学校では自閉症のためいじめに合うこともあったが、支援学校時代に

          開花した絵の才能は広く知られることとなり海外の美術館からも作品

          展示のオファーが来るまでになった

           

          268.jpg

           

          彼の製作に6年を費やしたという長さ10mの大作はスイスの

          美術館にあるアールブリュットコレクションに加えられることに

           

           

          こだわりへのこだわり

           

          3年前にアールブリュット展で作品に触れたときから、それが発達障害だから描ける絵だったり、作れる作品だったりなのか?という部分に生の芸術、アールブリュットへの疑問をなげかけてきた。

          「アウトサイダーアート=障がい者のアート」ではないし、どこにもその直接的な関係は示されていないのだが、やはり自閉傾向との相関関係は小久保君の以下の言葉からもはっきり浮かび上がる。

          曰く、自分は広範性発達障害であるけれど話もできるし、考えることもできる。しかしその発達には偏りがあって、皆が分かることや、できることが普通に出来ない自分もいる。

          生涯、馬鹿にされて生きるものだと思っていた自分が絵を描くことで周囲の評価が変わり、自信をもつことが出き、今では絵を描くことが自分の生きる意味であり、定めであるように思う、そんな内容であった。

          また彼は世界から孤立している北朝鮮に自分の立場を投影し、まわりから閉ざされた社会主義国家にも魅力を感じる。同様に刑務所などにも関心を持ち、親と全国の刑務所を調べたこともあるという。

          この普通ではない強いこだわりや執着が彼独特の作品を生む原動力になっていることは間違いない。

          ある意味で偏ったことによって開花した能力だともいえるのかも知れない。

          この偏愛が生み出す作品が芸術として見る人々に感動を与え、高い評価を得るのであれば、もっと言うなら家の外に出るのも嫌であった個人が人前で挨拶したり、取得は無理だと思われていた自動車免許にも合格するような前向きに生きる意欲へとつながるのであれば、「好きな道で才能を伸ばせるようにすること」こそが本人にとっても社会にとってもシアワセな社会適合への処方箋ではないかと思われた。

          これは、どんな自閉症に対しても言えることではないかも知れないが、病的に偏っている性質を無理やり普通にしようとストレスをかけるよりも、病気の症状ととらえずに、ひとつの特徴と考えて常識とは別のところに社会との接点を求める方が結果として良いこともあるだろうということだ。

          ボクが思うにアールブリュットにとって必要なのは名誉や金ではなく自身への強いこだわりだ。

          その特定のこだわりを障害とみるか、優れた感性とみるのかで障害なのか健常なのかの評価は変わってしまうものだとすれば、教育現場でも職場でも多様な価値感を許容し、お互いの存在を認め共生できる関係を構築できるかが社会システムとしての課題と考えるが、いかがなものだろうか。

           

          関連: 身近に感じるアールブリュット  身近なロダン  アール・ブリュットinぴっころ

              ANAの飛行機を紹介します    2周年記念事業    上映委員会FaceBook

           

           

           


          この国は若者がスゴイ

          0

             

            大坂なおみさん、全豪優勝、世界ランク1位おめでとう

             

            そして、ありがとう!

             

             

             

            昨年の全米オープンを制したときに彼女は世界を変えるパワーを持っていると書かせてもらったけれど、グランドスラムを連覇し、こんなに早く世界一になるとは正直、思いもしませんでした。

            コーチのサーシャも入れない完全アウェイ状態での全米を制した経験が彼女を一つ成長させていた。自らのメンタルの弱さを3歳児と表現した彼女だけれど、全豪ではセットを先行されながらも試合を捨てずにしのぐことができた。一つ成長した自己のメンタルを評して「4歳になった私、誕生日おめでとう」とおどけてみせたが、実年齢だってまだ21歳。テニスもなおみ節も、これからどこまで成長するのかが楽しみだ。

            テニスは宮廷スポーツだった時代から、コナーズVSニューカムあたりからネットを挟んだ格闘技となっていったのだが、大坂の登場により、また新しい時代に入ったのかも知れない。

            いずれにしても自分が生きているうちに日本人が4大タイトルなどとれるワケがないと諦めていたが、謙虚に、飾らず、自己の弱さと真正直に向き合い、素敵な仲間に励まされ、テニス界の先輩達が到達し得なかった頂に立った彼女からは、先輩であるはずの我々が逆に教えられることが多い。

            驚異の4大タイトル2連覇に寄せて沢松奈生子がこれでウィンブルドンでもとったらワタシおかしくなっちゃうかも知れないとコメントしていたが、少々、テニスをやっていたものとして、その気持ちはよくわかる。

            ただ、こうも思う。なおみは日本人だけから出来ていない。ハイチという良きパートナーを得て双方の良い面を受け継いで達成された快挙だろうとも思うのである。行ったこともないハイチが身近に感じられたりもするし。

            今、世界各地で移民の問題があり拒否や排斥運動も起きているが、国境を越えたリレーションシップやコラボレーションが優れた人材の育成には不可欠だということも歴史から、また明らかなことだと思うのである。

            イデオロギーを超えて仲良くすること、それは世界を救うキーマンの誕生にとって必要な土壌だろう。かの国も大丈夫か?国境に壁をつくるだけで・・・

             

             

             


            気になっていたヒト

            0

               

              悲しいお知らせだけれど、竹富島の内盛スミさんが1月14日、93歳で逝去されました。

              竹富島にこの偉大なお母さんがいなければ、僕は観光客として通い続けることも、また八重山に住みつくこともなかったと思うので、弔辞にかえて少し思い出を書かせてもらおうと思います。

               

               

               

               

               

              それは僕がまだ横浜の航空機メーカーに勤務し、休暇の度に竹富島通いを続けていた1980年代後半のこと。

              スミさんは常宿だった内盛荘のおかみさんであり、竹富島を仕切るビッグマザーであった。

              当時の様子は、僕にとって、まだもの珍しかった島のあれこれを書き綴った「竹富島と内盛荘の仲間たち」の中でこう記している。

               

               

               

              当時スミさんは民宿のおかみとして、僕たちの食事から、掃除、洗濯、宿の予約、売店の販売在庫の管理から機織りまでバリバリ仕事をこなしていて、夜は夜で祭りの準備やら練習やら常に忙しくしていた。

              僕は昼下がり、内盛荘の一番座にひっくり返り、島風に吹かれながらスミさんの機織の音を聞いているのが好きだった。

              島通い10年を記念して制作した竹富島10年詩には、スミさんの機織りについて、こう記している。

               

               

               

               

               

              そんな親の背中を見て育った長男の佳美さんもまた働き者であった。民宿を手伝う傍ら桑畑や蚕の世話、地域の行事にと常に動き回りながらも僕らに付き合って船を出して海で遊ばせてくれた。

              またスミさんの最愛の旦那様であり佳美さんのお父さんでもある正玄さんも歴戦のツワモノ、昔は西表島の水田を耕しにサバニで行き来したり、竹富〜石垣航路の船長を経て、当時はヤギを飼い、タコを獲り、暗くなるまで畑仕事に勢を出し、民宿のテーブルに食材を提供してくれるとともに、昔の島の暮らしや自然について、おもしろおかしく語って聞かせてくれるのであった。内地では考えもしない歴史や価値観に毎回、仰天させられる我々であった。

              スミさんの気分がのれば歌って踊り出すこともある。すると、すかざず正玄さんがサンシンを手に取り、満天の星空のもとエキゾチックな夜がゆっくりと更けていったものだった。

               

              そんな竹富島の観光客と民宿家族との付き合い方も、今は昔になった。

              日帰り観光客が島から溢れるほどに増え、民宿に1週間も2週間も逗留するような観光客はめっきり少なくなったに違いない。

              また民宿も高齢化とともに子や孫の時代に入っている、一度、島を出て帰ってくる彼らはスミさんや正玄さんたちの持つ島生粋の価値観よりもずっと都会的だ。リゾートも出来て、みんなでわいわいヤシガニ獲りに行ってたころとはスタイルが違う。

               

              スミさんは、14年前に長男の佳美さんを不慮の事故で亡くし、5年前には夫唱婦随の正玄さんにも先立たれた、経営からも退き、民宿も建て替えられ孫の時代で軌道に乗ったのを見届けると、そろそろ、あちらの方の面倒もみないと、と、思ったに違いない。

              正玄さんには「オマエはカジマヤーを祝ってもらってから来い」と言われたらしいけれど、いかにも最後までみんなのことを考えるスミさんらしいなと思った。

               

              僕から見えるスミさんは等身大に生きているのに果てしなく大きな存在でした。血縁のない僕にまで溢れる愛をありがとうございました。あちらに着いたら佳美さんや正玄さんによろしく。どうか安らかに眠ってください。

               

               

               

               


              このヒトが気になる

              0

                 

                このヒトも気になるのコーナーではなく、今回はこのヒトが気になる

                 

                img_e5b4bcda358d452752fc2fba19eec0d9135499.jpg

                 

                そう、詳しく書く必要もない全米オープンテニスを制してしまった

                大坂なおみさんについてだ

                 

                spo1809090007-p6.jpg

                 

                そして日本人初、グランドスラムを制するという偉業達成以上に

                注目された彼女の資質について書きたい

                 

                 

                What’s happen?

                 

                カタコトの日本語に英語を交えて語る奔放な試合後のインタビューがチャーミングと注目され、全米オープンでもベスト8に残ったころから大坂はメディアがこぞってスポットを当てる社会現象にまで発展していた。

                準決勝でキーズを下し、決勝戦で戦うことになったセリーナに対する感情を問われた彼女は「ILove you!」と言い放つ。

                「相手はテニス界の女王です、胸を借りるつもりで精一杯がんばります!」みたいなコメントじゃないのか、普通。

                でも彼女は大坂なおみ。普通じゃなかった。若干20歳のなおみは、セリーナを尊敬しグランドスラム決勝でラケットを交えることを夢見てテニスを続けてきたピュアな少女の姿そのままだった。

                そして迎えた全米オープン決勝戦は意外な展開となった。

                コート上では、そして場内ではボール以外に様々な人間の視線や感情や思惑が飛び交っていた。

                場外からコーチングを受けたと指摘され審判にペナルティを取られたセリーナは、鬼の形相で喰ってかかる。こうして崩れたメンタルを立て直すことができず、集中できない試合に場内からはブーイングの嵐。

                いつもならメンタルを崩して試合を失うのは大坂の方であったが、今回は真逆であった。ブーイングをアウェイで勝っている自分へのものと勘違いし、ただただ落ち着いて試合をすることだけに専念していた。

                体力的にピークを過ぎ取り乱した女王と圧倒的パワーで上り調子のピュアな少女の勝敗は、もはや明らかだった。

                試合が終わり大坂は全米を制した初めての日本人になったが、荒れに荒れ騒然とした表彰式でグチャグチャに縺れた心の糸を一瞬にして解いたのもまた、大坂なおみその人だった。

                感想を問われた彼女は、ちょっと質問と違うけど・・・と前置きをしてから

                「みんな彼女(S・ウィリアムズ)を応援していたのを知っている。こんな終わり方ですみません。ただ試合を見てくれてありがとうございます。」と静かに語った。

                セリーナもそれまでブーイングしていた観衆もシーンと静まりかえり、我が身を省みて全員が恥じた。

                若干二十歳、対戦相手のセリーナをこよなく尊敬し、一緒に戦うことを夢見てきた少女の一番、輝かしい瞬間をともに祝ってあげられない我々、大人たちの醜悪な映像がスクリーンに大映しになった気分だったことだろう。

                なおみは日本語のおぼつかない面白いテニスプレーヤーでも、いまだにガングロやってる流行遅れのお姉さんでもない、大坂なおみに人類を変えるパワーを感じた異例の全米オープンであった。

                 

                 

                 

                 

                 

                 


                マニアックな世界、人間的な未来

                0

                   

                  世の中にはマニアックな人たちがいるもので、傍からは

                  分からない価値観を共有しているものだ

                   

                  P1440407.jpg

                   

                  ぴっころにも電車マニア君がいるけれど末は

                  こんな感じなのかもしれない

                   

                  P1440410.jpg

                   

                  電車は門外漢のワタシですらミニチュアな電車を真剣に

                  走らせている姿には親近感を抱く

                   

                  P1440419.jpg

                   

                  授業で出された課題でもなく、潤沢な資金があるわけでもないのに

                  食費を削ってジオラマにエネルギーを注ぐ背景には”好き”という

                  以外にモチベーションの源は見出せない

                   

                  P1440423.jpg

                   

                  飛行機倶楽部にも顔を出してみる。今はやりの電動アクロ機は

                  軽量でホバリング可能。超絶なフライトが可能だ

                   

                  P1440424.jpg

                   

                  昇降舵の代わりにプロペラの推力軸変更制御というスホーイ

                  戦闘機並みのメカニズムを取り入れた軽量機

                   

                  P1440302.jpg

                   

                  そして現在のターボファンエンジンよりもはるかに複雑な構造をもつ星型の

                  レシプロエンジンは一式陸攻にも搭載された火星エンジンだという

                   

                  P1440388.jpg

                   

                  その星型エンジンを上向きにつけて日本で開発された初期の

                  ヘリコプター読売Y-1

                   

                  P1440387.jpg

                   

                  アメリカのベルに挑んだ先輩たちの苦心作は実らなかった

                  とはいえ、航空の歴史に残る果実だ

                   

                  P1440210.jpg

                   

                  そしてこんな飛行機を作る方ともお知り合いになった

                  すべての部品を一から削りだすソリッドモデルは

                  マニア中のマニアだ

                   

                  P1440217.jpg

                   

                  現在製作中のライトフライヤーの骨格は真鍮線を半田付け

                  しているというが細かい作業だ

                   

                  P1430340.jpg

                   

                  ぴっころにもこんな飛行機をつくるRh君がいる。今回の作品は

                  タイムリー。7月から石垣線に就航のバニラエアの機体には

                  タラップ車もつく

                   

                   

                  熱意の源:

                   

                  キッズの進学の下見もかねて学校見学に行っていた。そこで感じたもの。そこで共通するのは対象への興味、執着そして愛情であった。

                  AIが人並みの仕事し、今ある職業の大方がとって代わられるだろうといわれる近未来。障がいの有無や度合いに関わらず、今いる子どもたちが社会に出る頃にはいったいどんなヒトが求められているのだろうか?

                  決まったことを決まったようにこなす。あるいは定義されたアルゴリズムにしたがって答えを出す、そうした機械的な作業から開放されたヒトが求めるものは今までにない感性や感動だろうと思う。

                  そして重要なのはその感性や感動は機械に分析できるものでも、いかなるプログラミングをしてもけしてAI自身が肌身で感じるものではないということだ。

                  高度なデジタル技術を駆使し高解像度なバーチャル世界を構築してもヒトが実際に旅することをやめることはない。言い換えればヒトはデジタルでは表現できないヒトの感性でのみ得られるアナログ情報をいかに求めているかの証左でもあるだろう。

                  ヒトにとっての意味があること、それは対象自体に意味づけをし、生涯という限りのある時間の中で尊いと感じ、下手をしたら死ぬという身体性と切り離せないリスクの中で味わう高揚感に他ならないのではないだろうか。

                  となれば人間らしい人間のみがその存在の意味を享受できるヒトとしての資質になるのではないか。

                  いささか話は哲学的にはなったけれど、発達を続ける科学技術の中で子どもたちの幸せな未来を考えると、もっとも大事なのは難しい漢字を覚えることでも、計算が正確にできることでも、多くの情報を詰め込むことでもなく、根幹はヒトとしての楽しみをどこまで極められるかなのではないかと思う。

                  新たな楽しみを自ら見つけだし、極め、他の人々にも提供できるかがヒトとしての存在、自分をポジティブに見る生きがいにも大きく関わってくるのではないか。そんなことを感じた3日間であった。

                   

                   

                   

                   

                   


                  ニセ札名人とのふれあい

                  0

                     

                    そのお母さんの財布には息子が過去につくったという

                    お札が入れられていた

                     

                    編集_P1410792.jpg

                     

                    その紙に描いたお札の絵柄は

                     

                    編集_P1410798.jpg

                     

                    紙の片面にそれぞれエンピツで丹念に描かれており

                     

                    編集_P1410800.jpg

                     

                    支援者によって両面を背中あわせにパウチされ

                     

                    編集_P1410807.jpg

                     

                    大事にされていたが、かなりの数がつくられたらしく

                     

                    編集_P1410797.jpg

                     

                    その一枚をもらうことができたのだが、このお母さんと

                    つながりが出来たきっかけは

                     

                    編集_P1310253.jpg

                     

                    こんなものをつくるキッズの作品を見せていたときに感じた

                    親同士の親近感からだった

                     

                     

                    余計な御世話かも知れませんが:

                     

                    自分の子どもだからという理由からだけではなく、多様性を許容する豊かなヒトとヒトの関係をつくってゆくために多くの親御さんにお願いしたい。子どもが何かにとりつかれたように一生懸命やっていることがあったら、「そんなことばっかりやってて勉強は大丈夫なの?」とか「もっと他に大事なことがあるんじゃないの?」と親切に指導する前にそっと見守ってあげて欲しい。子どもの持って生まれた才能を止めないで、そうお願いしたい。

                    いろんなものに触れさせて、聞いてきたら相談にのり、やりたいことがあったらやらせてみましょうよ。大人は今まで経験してきた価値観でシアワセの方程式をたてがちですが、未来に生きる子どもたちは大人よりずっと柔軟で新鮮な感覚を持っています。みんながやっているからという流行ではなく、子どもたちが自ら興味を持ち選ぶものは、きっとその子の将来にとって必要なものだと思うのです。

                    いろんなものを選ぶ子どもたちが居て、いろんな才能を伸ばすことができたら、自分に自信をもつと同時に他人とも敬意をもって連携することで、もっと豊かさが生まれる。ボクはそう思います。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     


                    別の意味で気になる

                    0

                       

                      発達障がいの疑いはあっても大人になって優れた形質を発揮し、社会で活躍しているアスペルガーっぽい方々を過去に多く扱ってきたぴっころのこのヒトも気になるのコーナーですが、今回は、まったくその気配すら感じないのに注目に値する方にスポットを当てたいと思います。

                       

                      USA TODAY Sports.jpg

                       

                       

                      今までは番組後半にあったニュース番組ですら日々のトップニュースに扱ってしまうメジャーリーグで活躍する野球の大谷翔平選手です。

                      打ってよし、投げてよし、走ってよしに加えてルックスよし、さらには性格よしでお茶目な面もあるという何か欠点みたいなものがあるの、この人?とすら思えてしまう完璧な野球選手。

                       

                       

                      20180411_shohei-ohtani3893.jpg

                       

                       

                      普段、ボクがぴっころの子どもたちに、そして自分自身にも言っている、「何かに秀でていればそれ以外はみんな他に譲ってもいいじゃん」という哲学とはまっこうから対立しているような、何もひかないお方です。

                      普通、こういった目標を高く持ちストイックに努力している人は寡黙で、多くのストレスと戦う分、神経質だったり、ちょっとした自分のミスも許せなくてバット叩き割ったりするもんですが、大谷翔平選手の場合、本人いたって楽しそうです。しかも穏やかで礼儀正しく、周囲の人にも気を配る余裕すらたたえているところが異常で、逆に気になってしまうのです。

                       

                       

                      img_a476b462daeaefca2cf9b5de01a15813314434.jpg

                       

                      これで足が短かったり、ブサイクだったとしても充分バランスはとれているというのに体形のスマートさに加えて、このさわやかな笑顔で野球ファンは当然のこと、野球に関心のないアメリカ娘たちの心をもとりこにしているというのですから、欠落したところがないのが彼の病気なんじゃないかとすら思ってしまいますね(^^)

                       

                      124081350.jpg

                       

                      ホームランはたくさん打つけどコーチとうまくコミュニケーションが取れないとか、サラリーマン山田シゲル君のように監督におかしな注文を出して、チームのメンバーから白い目でみられるとかもなさそうですものねえ。ステキ

                       

                      img_6deca5e71a690ab59d101c6fae9ee8f6337962.jpg

                       

                       

                      でも、こんなスーパーマンみたいな人って本当にいるんですね。

                      飛行機好きのワタシからすると速度も上昇力も運動性も航続距離もどれをとっても世界一にしろ!という設計要求は結局どれも中途半端な結果に結びつく可能性が高いと考えるのですが。人間は飛行機とは違うのか?

                      ただ、それを達成した飛行機がかつて日本にもありました。太平洋戦争の初期に大活躍したゼロ戦です。

                      しかし、この過酷な目標を達成するために機体重量を極度に削った結果、剛性が低下して急降下はできず、防弾すらなかったために攻撃から守勢にまわったとたん弱点を晒してしまいました。

                      そして開戦当初、議論された戦闘機は速度か運動性かという議論は、実戦のなかで速度と上昇力に重点がおかれるようになってゆきました。

                      大谷翔平選手の場合も野球選手としてピッチャーが良いのかバッターが良いのか、どちらを優先すべきかの議論は海を渡っても延々収束することなく続いているのですが、二刀流の弱点として選手生命を削ることがないのか、はやり気になってしまいます。あまりに出来すぎた子ゆえの外野からの贅沢な悩みというのものであって杞憂なのかも知れませんが。

                      今回の気になる・・・は何かをがんばって伸ばせと激励するよりも、カラダを大事にしてほしいと願ってしまうというぴっころブログの中では稀有な人でありました。

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                       


                      | 1/3PAGES | >>

                      calendar

                      S M T W T F S
                            1
                      2345678
                      9101112131415
                      16171819202122
                      23242526272829
                      3031     
                      << August 2020 >>

                      selected entries

                      categories

                      archives

                      recent comment

                      recommend

                      links

                      profile

                      search this site.

                      others

                      mobile

                      qrcode

                      powered

                      無料ブログ作成サービス JUGEM